般若宗が認定する現代の大聖者(その1)

シュリ・チンモイについて

シュリ・チンモイ (1931年〜)

 
ベンガル地方のシャクプラ村に生まれる。チンモイとは、サンスクリット語で「神の意識に満ち満ちた」という意味。
 七人兄弟の末っ子として生まれた彼は、十一歳で父を、十二歳で母を亡くした後、シュリ・オ−ロビンドのアシュラムに入って生活する。アシュラムに入った年に、過去世で達成したニルヴィカルパ・サマディを思い出す。その後、高い瞑想の中で霊界との交わりを深めつつ、自身のサマディをより強力にし、安定させ、完全に定着させるべく修行する。
 シュリ・オ−ロビンドは、自分の弟子と言うよりも、自分を遙かに上回る霊性を達成している彼に、自分の姓であるオ−ロビンド・ゴ−シュの「ゴ−シュ」を送った。それ故、彼は、チンモイ・クマル・ゴ−シュと名乗るようになる。

 一九六四年、三十三才の時に、シュリ・チンモイは、自身の悟りを西洋社会に伝えるように神に促され、アシュラムを出てニュ−ヨ−クに渡る。最初の一年間だけ、インド領事館で事務の仕事をして生計を立てる。そうしながらも、霊的な活動を力強く開始し、各国から瞑想の弟子を集め始める。
 以来、著作活動や講演、絵画や詩や戯曲などの創作、バジャン(宗教歌)の作曲、ピ−スコンサ−トや十二時間ラン・二十四時間ランなどのウルトラマラソンの主宰と実践、ボディビルの実践等々、様々な表現活動を驚くべきバイタリティ−で展開し続けている。
 また、一九七○年からは、国連において公開瞑想を定期的に主宰して、国連関係者の意識の変容に寄与している。また、ト−チ(聖火)リレ−で世界平和を訴えるピ−スランという世界規模のイベントも、彼の主唱による。
 彼の活動は膨大で多岐に渡り、とても常人のわざとは言えないことは、その業績を検証すれば明白となる。また、あまり表沙汰にはならないが、弟子たちへの癒しの奇跡も数知れず、また、彼の主宰する霊的イベントが有る時の天候は「天気予報では大雨」にも拘らず、快晴であったことも数え切れない。

 シュリ・チンモイは自分のヨ−ガを「ミリタリ−(軍役的)ヨ−ガ」と呼ぶことがある。彼のヨ−ガは、シュリ・オ−ロビンドのインテグラル・ヨ−ガに比べ、よりシンプルなバクティ・ヨ−ガ(特定対象礼拝)を基本に据える。即ち、弟子がグルであるシュリ・チンモイに意識を集中し、誠実な帰依心を捧げて瞑想することで、その弟子の意識に光明を流入させ、意識を浄化し、変容・向上させるものである。
 但し、単なるバクティ・ヨ−ガではなく、ウルトラ・マラソンなどの強烈な肉体的鍛練を同時に実践することを勧める。正しい瞑想技法に支えられたマラソン(メディテ−ション・ランニング)は、強力な浄化作用を持ち、修行者の不浄な内的衝動を完璧に洗い流してしまう。
彼は弟子たちに、様々なマントラ・瞑想的絵画鑑賞・バジャン(宗教歌)の熱唱・サマディの写真に対する意識集中と瞑想の訓練・マラソンやボディビルやテニス等々の肉体鍛練・無私の奉仕行の実践等々をやり続けるように仕向け、自己向上・自己超越の流れに乗って、人生を一気に駆け抜けさせ、ゴ−ル(サマディ)まで導く。これが彼の手法である。
 弟子は、真剣にそれらを実践しようとするならば、聖なる戦士の如き生活が要求される。それ故、「ミリタリ−(軍人の、軍役的)ヨ−ガ」と言われる。

 また、シュリ・チンモイは、自身の過去世について幾つか告白している。(それを信じるか信じないかは自由である。しかし、超宗教思想の見地から、客観的に比較対照し検討するに値するものを二つ挙げる)

 (A)クリシュナの一番弟子であるアルジュナであった 
 (B)アメリカ独立宣言を起草し、第三代合衆国大統領に就任したトマス・ジェファ−ソンであった

 アルジュナは、森に籠もってクシャトリア(武人)として、弓の鍛練に明け暮れ、やがて当時のインドきっての強弓使いとなる。そして、「バガヴァッド・ギ−タ」にある如く、クルクシェトラの戦いで活躍し、インドの社会に正義と平和を打ち建てた人物である。
 強弓使いとしてのアルジュナと、現在の肉体鍛練を重視するシュリ・チンモイとの共通性は無視すべきではない。また、正しき霊感溢れるアメリカの「独立宣言」を起草してアメリカの礎を築き、若者の教育のためにバ−ジニア大学を創設する一方、宗派の争いを嫌って、オカルト的な奇蹟の記述部分をカットして編纂した「ジェファ−ソン聖書」によって、何を信じるかよりも、実際の「道徳的で清い生活の確立」こそ重要、と提唱したトマス・ジェファ−ソンの志と、インドからアメリカに渡り、西洋文明の中に「霊性の真理」を伝達し、「聖なる生活」の確立を指導しているシュリ・チンモイとの共通性(又は因縁)にも、注目すべきである。
 こうした二つの前世を踏まえると、彼の「ミリタリ−・ヨ−ガ」の語には、より一層深い意味が込められていると見て取ることができる。

既に、アメリカでは、かなり有名である。世界宗教者会議のオープニング瞑想を依頼されたり、国連では、20年にわたってだいたい毎週公開瞑想会を開催している。
 シュリ・チンモイの弟子としては、プロテスタント系クリスチャンであるカール・ルイスが最も有名。カール・ルイスは、シュリ・チンモイを自身の精神的支柱として教えをもらい、前人未到の陸上記録を打ち立てた。
 音楽家では、一時、サンタナやジョン・マクラフリンも弟子でした。マクラフリンは、マハー・ヴィシュヌというスピリチュアルネームをもらったので、『マハー・ヴィシュヌ・オーケストラ』を結成し、演奏活動をした。しかし、やがて、シュリ・チンモイの教えは『単純で底が浅い』と感じるようになり、弟子をやめてしまった。
 霊性修行は、単純な基礎的な事柄を反復して積み重ねて行くことであり、それは、スポーツの基礎体力訓練のようなものなので、このことが分からないと、霊性修行は続けられない、という、一つの教訓でもある。

★ 日本のシュリ・チンモイ・センターのホームページはこちら。
★ とりあえず、シュリ・チンモイの動く映像が見たい方はこちらをクリック(アメリカのHPのビデオを選べます。)
★ シュリ・チンモイの歌を聞きたい人は、こちらをクリック。(アメリカHP、Real One Player で再生できます。)





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このページの最終更新日 2005/5/22

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